『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)の世界
「D&D」とは、紙と鉛筆とサイコロ、それとルールブック(そして、ときにフィギュア)を使って、仲間同士で会話をしながら、『指輪物語』を彷彿(ほうふつ)とさせる剣と魔法のファンタジー世界で" ごっこ遊び"を楽しむという、会話型ロールプレイング・ゲーム(TPRG)である。
プレイヤーは、人間、ドワーフ、エルフなどの種族と、戦士や魔法使い、僧侶、盗賊(とうぞく)などの職業のどれかを選んでゲームに参加する。この「D&D」こそが、すべてのコンピュータRPGの源流であり、「僧侶は刃物を持てず、回復魔法を使う」などといった設定は、すべてこの「D&D」にはじまる伝統である。
最初の「D&D」は1974年に米国で発売され、1978年にはその発展版である「AD&D」(アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ)が登場。その後、AD&Dだけが版を重ね、2000年に第3版となった時点で、「AD&D」という名称が「D&D」へと変更された。現在、ホビージャパン社から日本語版が刊行されている「D&D」は最新の第3.5版である。
米国では非常にメジャーな遊びで、プレイヤー数は数百万人とも言われ、その存在はすでに米国の1つの「文化」として定着している。
この「D&D」に由来する、濃厚で緻密な設定に裏付けられた、葉っぱ一枚ゆるがせにしないリアリティあふれる幻想世界(それはあたかも「本当にもう1つの世界が存在する」かのような錯覚を世界中の読者やプレイヤーに起こさせている!)、そしてその中で展開されるスリルあふれる冒険と謎解き、人間的葛藤の数々──臨場感たっぷりの大冒険と大河ロマン――を体験できるのがアスキーD&Dファンタジー小説作品の最大の魅力である。