アスキー・メディアワークス 英語&海外文芸 編集者ブログ

2011-09-09 22:35:50

クドーの日記

クドーの事件簿 その9

 なぜか、不条理な事件に巻き込まれることが多い。


 誰かが激怒していて雰囲気がピリピリしている場に、それを知らぬわたしが現われた場合、非常に高い確率で、その激怒している張本人のそばにあやまたずふらふらと歩み寄っていき、とばっちりで激怒されるのだという。周囲の人間から見ると、何食わぬのんきな顔で、地雷に向かってまっすぐ歩いていくその姿は、ある種、神がかり的だとも聞く。


 昔からその種のエピソードに事欠かないのだが、最近もわけのわからない親父に、電話で怒られ続けている。
 その親父は必ず、わたしが徹夜仕事明けでへとへとで帰宅し、ようやく眠りについた午前中に間違い電話をかけてくる。どうもいつも「アイザワ」という家に電話をしているらしいのだが、
「はい、クドーです」
と出ると、必ず
「またおまえか、この野郎!!」
といきなり怒ってくる。
「何番におかけですか? 電話番号をよく確認していただいて……」
と言いかけると
「バカ野郎! 俺は間違いなくアイザワにかけてんだ、この野郎……。おまえのうちの電話機がおかしいから、いつもこうなるんだ! 今日こそは電話機を変えろ、でないとタダじゃ済まないぞ!!」
と脅してくる。そしてたいていそういう場合は、連続的に4回も5回も電話をかけてくる。そしてそのたびに
「またか、この野郎……人様に迷惑をかけるのもいい加減にしろよ、クドー、この野郎……」
と怒りにふるえている。さすがにこっちも押し黙ってしまうと、
「あれ、何も言わなくなった。おい、このクドーって奴は、やっぱり頭が狂ってるぞ!!」
なんて誰かに話しかけている(どっちがじゃ!)。
 最後は電話線を抜いて、眠りにつくしかないのだが、現在真剣に電話番号の変更を検討している……。


 こうした不条理な事件を前にして思い出すのは、家を引っ越して数年後の、大学1年の夏に集中的に遭遇した、心霊(?)体験のことだ。
 この話は長くなるのでかいつまんで書くと、要は、深夜(主に午前2時~3時頃)に金縛りに頻繁にかかり、子供の霊を見たり(半開きのドアの陰からこっちをのぞいていた)、女性の霊に話しかけられたり(「サブローさん、水ちょうだい……」――ちなみにわたしの名はユウイチ)、霊にふとんをめくられたり、手を握られたり、霊に後ろから抱きつかれたり(小指が口の中に入ってきたので、かみちぎると、小指が口の中でのたうって暴れ、霊がわたしの顔をたたきだした)、幽体離脱して天井付近まで浮遊したり、といった、そんな感じの体験なのだが、1度だけ、さすがに怖い思いをしたことがあった。
 それは、夢の中で、妖怪人間ベムの仲間であるベラが変身した後の姿のような怪物に馬乗りになられて、心臓を食われた瞬間に目を覚ましたときのことだった。
 目を閉じたままのわたしは、夢の中同様に、かけぶとんが重いことに気づいた。案の定、体は金縛りになっている。そしてゆっくりと目を開けると、なんとわたしの部屋の天井付近に、白い煙で描いたような巨大な顔(縦3メートル強)が浮いて、わたしをにらんでいた。ハゲ頭の、インドのおじいさんのような風貌(ふうぼう)で、耳はとがり、目はネコのようで、眉(まゆ)はなく、しわだらけだった。
 心霊(?)体験慣れしていたわたしもさすがにそのときは恐ろしく、金縛りで出ないながらも「う~、う~」とうめき声をあげると、その顔は、「しまった! 見られたか!」という感じで、もやもやと広がってかき消えてしまったのだった。
 その後、悪魔払いでも必要かと、さる心霊の大家なるおばあさんを家族が家に呼んだのだが、わたしの部屋に霊は発見されなかった(しかしその心霊家は、父の肩に水子霊がのっていると指摘。思わぬとばっちりを食った我が父は、我が母の前で、いろいろな意味で冷や汗をかいて青ざめていた)。
 わたしは、一連の心霊(?)体験を、自分が半覚醒状態でみた幻覚ではないか、とも考えており、特に深刻には考えていないのだが、それ以降、何か不条理な出来事が起こると、あの顔が思い出されるのだ……(でも、守護霊かも?)
 実はアスキー@初台の地下1階でも、心霊現象とおぼしき事件に何度か遭遇しているのだが、その話はまた別の機会に譲りたい。


★追記:今思い出すと、大学一年の夏に集中的に心霊現象にあう直前、大学のクラスで合宿に行き、夜、肝試しをしに墓場へ行き、はしゃいで卒塔婆を倒してきてしまったんですよね……そのせいかも。ちなみに私がその部屋を去ったあと、弟がその同じ部屋に住んだのですが、やはり心霊をたくさん見るようになってしまい、ビビっていました。

自己紹介

編集者 クドー

通称 : クドー

角川グループの出版社・株式会社アスキー・メディアワークス第八編集部 英語&海外文芸課の編集長。1991年5月~2000年12月までパソコン総合雑誌「月刊アスキー」で編集者として働き、ワープロやOfficeなどの記事や「クドーの事件簿」ほかの記事を執筆しながら、日本マーフィー普及委員会の一員として、「マーフィーの法則」支援連載や、『続・マーフィーの法則』刊行などを手がける。2001年より書籍編集者となり、『ドラゴンランス』『ダークエルフ物語』などの海外ファンタジー作品を多数刊行。現在は、『単語耳』シリーズや、『21世紀版 マーフィーの法則』、『バカはなおせる 脳を鍛える習慣、悪くする習慣』など、語学系や自己啓発系の書籍も手がける。

編集者 タジマ

通称 : タジマ

アスキー・メディアワークス第八編集部 英語&海外文芸課の編集者。2006年からドラゴンランスなどの海外ファンタジー全般を担当しています。趣味は漫画・ラジオ・アニメ・小説・音楽・映画・ネットと浅く広くをモットーにだいたい通じています(つもりです)。「目指せミリオンヒット!」、そして「D&D小説エバンジェリスト」として青春を編集にささげていく所存です。ちなみに画像は片耳の愛猫ハル。お尻を叩くとなぜか喜びます。

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